『杏のふむふむ』を読んだ
女優の杏さんのエッセイ、『杏のふむふむ』を読みました。
杏さんは、私のたった3歳年上だけれど、とんでもなく大人でしっかりしているように思えます。
この本は、2012年に刊行されたので、杏さんが25、26歳で出版した本です。
出会いをテーマにエッセイが描かれており、杏さんがこれまで出会った様々な人と杏さんの交流が描かれています。
私でも知っている有名人もいれば、杏さんの小学校の先生など、一般の方もいます。
杏さんは、人をすごく大事にしていて、人が好きで、杏さんと関わった人も杏さんを好きなことが伝わってきて、すごくほのぼのとするエッセイです。
一番心に残ったのは、杏さんが母校に行って授業をしたときの話です。
杏さんは、「妖怪人間ベム」の映画でベラ役で出演していたことから、ベラとして授業を行うことにしました。衣装やメイクも映画の製作スタッフ陣に依頼するという本格ぶりです。
何に対しても本気で取り組んで、楽しんでいる杏さんの姿勢には頭が下がります。
授業では杏さんは「今という時間を少し考えてみて過ごすこと」をテーマに、「“これで良い”より“これが良い”」と選ぶことが大切だと言います。
小学生に向けた言葉だけれど、私の心にもずんときました。
杏さんのように素敵な大人になるには、というヒントをもらった気がします。
授業の後、小学校の恩師であるエンドウマメ先生と再会してキャラが崩壊したという、おちゃめな場面もあり、杏さんがみんなに愛されるのはこういうところかなぁなんて思います。
先日読んだ朝井リョウさんのエッセイとはまた違った面白さがある本でした。